みなさんこんにちは。育児歴4年の私が、これからパパになるプレパパに向けて、私が世にいう“イクメン”になった経緯、経験談などをお伝えしようと思います。
目次
“イクメン”と言われるのが好きではなかった頃
こんなタイトルをつけると、“仕事より育児”と思われるのが嫌なのかな、と思う方もいるかもしれません。しかし、その逆です。
子どもが産まれてしばらくした頃、職場で家でのことなどについて話をしていると、“イクメンだね~!”なんて言われることがありました。もちろん、言ってくれた方は、ほめている気持ちで言ってくれています。
でも、今でこそ自分を“イクメン”と言ってしまうほどになりましたが、実は私、自身が“イクメン”と言われることがあまり好きではない時期がありました。ひねくれものでスミマセン。笑
でも、これには理由があるのです。“イクメン”というもの、当時は“子どもにミルクをあげる”、“一緒に散歩をする”など、子育てという大きな氷山の小さな一角、しかも、表に見えるキレイな部分をカッコつけてやっている人が“イクメン”認定されていると感じていたからです。つまり、日本文化の“子育ては母親がするもの”という枠の中で、子育ての“お手伝い”をするのがイクメンのイメージだったのです。
そんなイクメンと一緒にしないでほしい、自分は妻がいなくても丸一日、ひとりで面倒を見られるくらい、“手伝い”ではなく“共同作業”として育児に関わっているんだ、という自負があったから、“イクメン”と言われることが好きではなかったのです。
産まれてすぐは、“イクメン”とはかけ離れていた私
妻の妊娠が分かり、その時から、妻の体調を気にかけたり、本を読んでみたり、戌の日のイベントを一緒にやったり、名前を一緒に考えたり、産まれた後に必要になる服、チャイルドシート、ベビーカーの買い出しをしたりと、育児に関わっている“つもり”でした。今思えば、全然足りていなかったですけどね。
というのも、読んだ本も妻が買ってきたもの、妊娠中にすることについても、私発信ではなく、妻発信だったこと、何一つ、主体的に動いたものはありませんでした。
父親になった瞬間
そんな私をよそに、子どもは妻のおなかですくすくと育ち、妻は子どもとまさに常に一緒に生活をし、出産に至りました。
産まれてきた子どもを見て、自分の赤ん坊のころの写真に似ていることにびっくりしたのを覚えています。産まれた日、ベビーベッドの中で懸命に泣いている子どもを、ずーっと見ていました。間違いなく、事実上、“父親”になった瞬間でした。
父親となった自覚を持つことの難しさ
出産の日、本格的な陣痛は前夜から始まりました。病院に行き、陣痛に耐える妻をサポートしました。明け方まで続きましたが、なかなか分娩台に行くに至りません。妻が痛みに耐えるために握っていた私の腕は、傷だらけ。でも、妻はその何百倍、何千倍も痛かったのでしょう。想像すらできません。結局、帝王切開となり、産まれたのは次の日の昼頃でした。
立ち合いこそできなかったものの、痛みに耐える妻をサポートし、一緒に味わった“つもり”でいた出産。その後、入院生活約1週間。仕事が終わって病室に行き、初めてのおむつ替えなども経験しました。そんなこんなで、晴れて退院。妻は1か月ほど実家に戻るとのことで、そのまま妻と子どもは、妻の実家での生活が始まりました。
そんな中、私は仕事以外の用事(自分がやっていた活動など)もちょうど重なり、少しの間、育児を妻に任せきりになってしまいました。実家にいるということで、安心してしまったのです。妻の実家にも、行く日より行かない日のほうが多かったと思います。(ぶっちゃけると、それまでほとんどお邪魔していなかった妻の実家に行くことに、やや抵抗?緊張?ビビり?があって、行きづらかったっていうのもありましたが。)
考えてみれば、寝不足に加え、自由にならない体、自分の親とはいえ、意見が合わないこともあるでしょうし、負担は相当なものだったと思います。
それに引き換え、出産前と行動が変わらない私。父親になったことを、自覚しきれていなかったのです。
母親と違い、父親は、“いきなり”父親になります。お腹にいたわけでもなく、痛みを伴ったわけでもなく、“いきなり”子どもが存在するようになるのです。ここに、父親になったという自覚を持つ難しさがあると思います。(本当はこのとき、自分では、出生届を出したり、命名書を作ったり、家事をやったり、と変わっていたつもりでしたが、ポイントはそこではなかったのです。)
父親になった“つもり”から“本当の”父親にしてくれた妻の言葉
そんな時、妻の実家に行った時のこと。
「あなたは子どもが産まれる前と、何も変わらないね。あなたが変わらないのなら、私はそう理解するよ。でも今、毎日顔が変わっていくくらい子どもは成長して、毎日いろんなことを吸収して、私も毎日子どもと接して、同じ時間を過ごしている。同じ時間を共有しないで、理解しあえるかな。これからずっと子育てをしていく中で、特に今の時期って、すごく大事な時期だと思うよ。しかも、子どもに安心感を与えるには、今、子どもにあなたの匂いを覚えさせるのが一番らしいよ。」
そんなことを言われ、はっとしました。妻は、ストレス過多の中、きちんと向き合って話をしてくれました。この日以来、少しずつですが、意識が変わり、行動が変わったと思います。それまで、「平日は行けなくても仕方ない」と思って、行ったり行かなかったりだった妻の実家に、ほぼ毎日、行くようになりました。
意識が変わった結果、得られたもの
正直、行ったところで、足を引っ張ることも多く、妻が物理的にラクになったのかは、よくわかりません。でも、妻の実家で子どもを寝かしつけながら一緒に寝てしまい、夜中に起きて眠い目をこすりながら自分の家に戻り、少しながら家事をやり、寝て、朝起きて、寝不足ながら仕事に行って、、、という毎日を繰り返すことで、寝不足の辛さは、少しは共有できたかもしれません。あの時期の寝不足の辛さは、今思い返しても、だいぶキツかったな~、という記憶です。妻の実家に行って何をしていたのか、ミルクと沐浴とおむつ替え以外はあまり具体的に記憶がありませんが、とにかく毎日眠かったことは覚えています。
でも、あの時期があるからこそ、妻は、私が子どもとふたりきりでいる状況をつくることができるようになったようですし、私も、妻がいなくてもなんとか子どもの面倒を見られる、という思いになれたのだと思います。
そこまできて、ようやく、数時間ではあっても、妻に自由な時間を与えてあげることができるようになりました。妻に、“子育てを少しお休みする時間”を持ってもらえるようになったことは、得られたもののうち、すごく大きなものだと思います。
また、私が、妻の実家に行くことのハードルがだいぶ下がったことも、実は、その後の子育てにはプラスの事柄です。なぜなら、ゆくゆく、私が自分の時間を作るために、妻の実家が協力してくれる上で、とても重要な要素だからです。
自宅での生活にあたって準備したもの
ここで少し、具体的なお話を。
産後1か月と少し経った頃、いよいよ、自宅での子育てが始まりました。その少し前から、家での準備を始めたのですが、それまで妻の実家で育児参加していたこともあり、家では何が必要なのかがイメージでき、準備はしやすかったです。
ハード面の準備もそうですが、ソフト面の準備として、やってよかったな~、と思うのは、Amazonの有料会員登録です。年会費3,900円ですが、初年度は同額ポイントで戻ってくる、というものでした。なので、実質年会費ゼロ。これで、送料無料、翌日配送のサービスが受けられるので、登録しました。
何をメインとしていたかというと、“おむつ”です。子育て中、なかなか買い物に出るのも、ましてや重いもの、かさばるものを買ってくるのは大変です。でも、おむつの消費は激しく、たくさん必要。そんなとき、通販は非常に便利でした。おむつの他にも、粉ミルクやトイレットペーパーなどの調達にも役立ちました。2年目以降も継続するかは置いておいて、ひとまず1年やってみるのはオススメです。ちなみに、私は丸1年を直前に、退会しました。
これに加え、コープ(生協)の会員にもなっていました。こちらは妻が管理していたのですが、食品関係は、こちらで調達していました。不在にしていても玄関前に発泡スチロール容器で届けてくれるので、これも非常に助かりました。私が家に帰るまで玄関前にあっても冷凍、冷蔵ものとも冷えていましたので、仕事が終わって家に着いたときに持って入る、などと役割分担することもできました。お米など、重いものもよく頼んでいました。
ハード面の準備として、大物としてはベビーベッドを用意しました。購入も考えたのですが、初期費用と処分するときのことを考え、レンタルにしました。インターネットで検索した結果、ダスキンのものがよさそうだったので、登録しました。借りる期間も1か月単位で選択できたように思います。延長もできたので、ひとまず半年、レンタルしました。新品が来るわけではないですが、ひとりで組み立てができるベッドがバッグに入って届き、通常使用には何も問題ありませんでした。むしろ、個人的には、使用感があったため、あまり傷などに気を遣わず使用でき、よかったです。ベッドは、結局1年延長し、その後また半年延長し、という感じで2年ほど使用しました。長期でレンタルするほど割引があるのもうれしかったです。
そのほか、新調したものは、ふた付きごみ箱です。これは、“おむつ専用”ですね。放り込むだけでひとつずつ密封してくれるような専用のものもあるのですが、「そこまではいらないか」という話に落ち着き、“ふた付きごみ箱ベランダ置き”で対応しました。
実際に自宅での生活が始まって
私は、育休をとることはなかったため、通常通り仕事を続けました。ちなみに、平日の日中勤務という、一般的な生活リズムです。
子どもはまだまだ不規則で、妻の実家で関わっていたとはいえ、リズムをつかむまでは大変でした。妻は私の仕事中ずっと面倒を見ているので、私が家にいる間は、私の番、という意識でいました。もちろん、眠い日もありますし、風呂入って寝ちゃいたい!って日もありました。でも、妻の生活を考えると、こんな考えになりました。
“仕事で疲れてはいけない“
仕事で疲れてはいけない
家に帰ったら、子育てをバトンタッチ!それを実行するには、家に帰って、「仕事で疲れてるから」はナシです。パパは仕事で疲れてはいけないのです。笑 仕事と家庭、エネルギー配分を半々にする、という意識です。
子どもが起きている時間に家に帰れたら、子どもと戯れる時間が待っています!寝顔もかわいいですが、起きているほうが、もちろんうれしい時間です。疲れていてはもったいない!「子どもの顔を見ると疲れも吹き飛ぶ!」なんて声も聞きますが、吹き飛ぶのはその時だけです。笑
実際、子どもといると、遊んでいるだけでもエネルギーを使います。おむつ替え、ミルクなどなど、やることもありますので、後になって疲れ倍増です。だから、やはりそもそも仕事で疲れてはいけないのです。さらに、その他、家事もろもろがあります。子どもが寝てから家事をやるにしても、泣いたら一旦中断、中途半端でも子ども優先。なかなか家事も進みません。子どもが寝たら、あれ?どこまでやったっけ?そんな毎日です。
家事も終わったら、やっと夫婦の時間。妻は疲れていれば子どもと一緒に睡眠をとるので、そうなると、自分の時間。そして一日が終わる、そんな毎日でした。
イライラの意外な原因
子育てのイライラ、実際にはいろいろあります。ただ、積み重なるストレスとして、“達成感を得られない”こと、これが大きいです。このストレスの積み重ねは、根深いイライラ状態につながります。
どういうことかというと、例えば、ごみを集めて、“終わったら”、食器を洗って、“終わったら”、洗濯物を干して、“終わったら”、、、という風に、通常は、やるべきことをこなしていきます。しかし、赤ちゃんはこちらの事情など知りません。何かあったら泣くのが仕事です。とにかく、何をやっていても、中断されます。そうすると、“終わったら”が存在しなくなっていきます。どれも中途半端で、たとえそれを誰かが手伝ってくれて、終わっていたとしても、自分で“終わった!”という達成感が得られないのです。私にとって、これは結構なストレスでした。
気がつく前は、そんなところがストレスになるとは思ってもいなかったので、小さくても達成感を得るというのは、大切なことなんだと気がつきました。
子育てが仕事にもプラスに
さて、結構ネガティブなことばかりになってきたので、ここでポジティブなことを。
子育て経験者は、業務では得られない経験値をめちゃくちゃ獲得していると思います。私においては、子育てのおかげで、仕事にもプラスになったことがたくさんあります。
まずひとつは、いい仕事をする環境を整えるのに一役買ったこと。
子育てをすることで、子育てをしながら仕事をする大変さが身にしみてわかりました。私の職場では、まだまだ育休を取るパパは少なく、ワンオペの子育ての家庭も多いです。そうすると、女性が育児をしながら仕事をして、という方が多いのですが、それまでとは違って、女性の事情や考え方が少し分かるようになりました。で、子育ての話で盛り上がることができるようになりました。それまであまり話さなかった方とも、子育ての話をすると話が弾んだり、ほかの家庭の状況や、便利グッズの情報が得られたり。そのおかげで、仕事の話していても、それまで以上にお互い意見が出やすい環境ができあがりました。環境づくり、人間関係づくりというのは、仕事を進める上でとても重要でありながら、一朝一夕にできるものではないので、これはかなりの利点です。
ふたつ目は、仕事の割り振りができるようになったこと。
子育てが始まって、仕事に対するエネルギーを減らす必要を感じた私。もちろん、仕事の手を抜く、という訳にはいかないので、同じ結果を出すために、職場の方々に協力いただき、ほかの人に振れる仕事は振る、というようにしていました。おかげで、仕事の仲間が今どんな仕事を抱えていて、どの仕事を任せられるのか、気にするようになりました。そして、仕事を“任せる”ということを覚えました。
これらのことは、今後マネジメントをする立場になるときに、間違いなく役に立つスキルです。子育てで仕事のマネジメントスキルが上がるなんて、想像もしていなかったですが、これはかなりいい効果だと感じています。
まとめ
さて、どうだったでしょうか。私は、子どもが産まれて、父親としての自覚を持つことがこれほど難しいとは思っていませんでした。でも今は、父親として、子どもといい関係が築けていると思います。妻のあの時の言葉がきっかけで、今の良好な関係ができていることを考えれば、本当にあの時きちんと話をしてくれた妻に感謝です。
今でも、まだまだ足りない部分はありますが、日々、家族に父親として成長させてもらっています。子どもとケンカすることもしょっちゅうですが、お互いにごめんなさいをして、なんとか父親業、やってます。大変だけど、楽しいですよ。
さて、今回具体的なことが書けたのは、産まれてから1か月くらいまでのことです。この後、首が座り、離乳食が始まり、腰が据わり、つかまり立ち、話し始め、歩き始め、、、と、子どもはどんどん成長しています。それぞれ、いろいろなことが起きました。今は保育園に通園していますし、保育園での学びもすごくたくさんあるみたいです。そんなことについては、また次回、書いていければと思いますので、今回はこの辺で。
最後に、プレパパへ
これからパパになるプレパパへ。子育てって、大変です。産まれてからは、ほとんど自分の時間がない生活が続きます。でも、ママのほうがもっと大変。なんせ、パパは仕事に行っている間、子育ての休憩ができますから。笑
「ママは育休で仕事してないんだから、昼寝もできるじゃないか」と思うパパもいるでしょう。確かにそうかもしれません。が、実際のところ、できないでしょう。私が妻を見ていての実感です。しかも、夜も子どものわずかな音で起きてしまいます。これは、母親が子どもを守るために、本能的に起きるようにできているらしく、パパはグーグー寝ていて気が付かついていないだけで、ママはしょっちゅう起きている、みたいです。ですので、パパが家にいて、少なくとも起きている間くらいは、奥さんが疲れていたら、ゆっくり寝かせてあげましょう。
最後に、大変なことばかり書いてしまいましたが、自分の子どもというのは、かわいいものです。子どものいる生活も、なんだかんだ、幸せです。もちろん、子どものいない生活も、楽しいことは知っています。価値観は人それぞれ。でも、大変でも、パパになることになったのなら、子どもといる生活をぜひ楽しみましょう!
おまけ
新型コロナウイルス感染症により、外出自粛が広がっている今、世間ではこんな声があるようです。
「コロナ対策で家にいる夫が何もしないんです。外出自粛になる前は、友達家族とキャンプに行ったり、ホームパーティーを開いたりしていたんですけど。なんだか、イクメンぶりをアピールしていただけみたいです。」
ほかにも、
「結婚前は、イクメンになれる、とか言っていたんですけどね。普段は仕事でいないから仕方ないと割り切っていたのが、コロナの影響でテレワークになり、家にいるにもかかわらず、休憩時間でも子供には目もくれず。あーあ、騙されました。笑」
なんて声も。こんな状況に、“コロナ離婚”なるものもあるそうな。笑
育児と家事を普段やっていないのなら、いきなりやろうとしても、それは無理ですね。育児と家事は、仕事以上に普段の積み上げが必要ですから。仕事だって、引き継ぎとか、今まで動いているプロジェクトに後から入るとかってなかなか大変でしょ?普段やっていないなら、奥さんが普段回している仕事場に、新人として追加参入させてもらうようなもの。育児と家事という仕事の“上司”である奥さんに、「私に何かできることはありますか?」の姿勢でいることを大切にしてくださいね。
奥さんも、旦那さんが下手に出てきたら、ヘタでも多めに見てあげてください。“新人教育”ですからね。