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稼いでいる夫は妻より偉いのか?心を入れ替えた夫の話

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はい、偉くありませんよ。私が心を入れ替えるのに何年かかったのでしょうか。笑

さて本日は「育児」に関わる問題で最も重要なお話をします。稼いでいる夫は妻より「偉い」のでしょうか?そんなお話です。まず、男性と女性の明確な違いについて考えてみましょう。

たとえばオリンピックを想像してみてください。明確に言える事は、トップアスリートの男女の比較で定義します。結論は「運動能力」が違う事です。特に短距離走などタイムが出る協議や「筋力」が必要な砲丸投げなど、世界を見渡しても「男性は運動能力が女性より優れている」場合が多いのではないでしょうか。

一方で女性は男性と異なり、妊娠をして子供産む事ができます。これは万国共通の「性差」として受け入れられている事柄の一つです。日本においては今でこそ女性の「管理職」なども増えてきたかと思いますが、長らく男性は「仕事」をし、女性は「育児」に専念するという文化が続いてきました。

「育児」において「妊娠期間から子供が2歳くらいになるまで」を想像してみてください。

親元から近い場合を除いては、現在バリバリ仕事をしている女性でもしばらくは「育児」に専念しなければなりません。大手の会社であれば、「手厚い育児休暇2年」もあるかと思いますが、ほとんどの女性は一定期間、「仕事」をして「稼ぐ」よりも、「子供」を「産み、育てる時間」を優先せざるをえません。結婚をして「育児」が始まると今まで共働きで「夫婦の財布が別」だった方も「財布は同じ」になるのです。

前置きが長くなってしまいましたが、本日は稼いでいる夫は、妻より偉いのか?「稼ぎ」だけでは与えられない物がある。そんなお話です。

登場人物のプロフィール

夫は25歳で大手の商社に勤務している。4年生大学を卒業し現在は親元から離れて一人暮らし7年目。年収は700万程度あるが、全国転勤がある会社に勤めています。

一方、妻は商業高校卒の19歳。地元で就職した会社をわずか3か月で辞めて実家でアルバイトをしながら生活をしています。同じ中学校だった二人は、知人の紹介で2009年に結婚し、その後、子を授かり2010年には「女の子」2013年には「男の子」を出産します。

育児の「過酷さに」妻が精神を病む。お金で買えない人との絆

「稼ぎ」に自信のあった男性は妻の地元である兵庫県で結婚後、8年暮らします。しかしながら転勤族の仕事柄、同じ兵庫県内で3回、引っ越しする事になりました。妻の体調が悪くなったのは2回目の引っ越しです。妻の実家から距離が1時間半程度はなれたときでした。原因は育児による「心労」と「親のサポートが少ない」事による不安でした。

夫は夫なりに、妻を気づかい、「美味しいもの」や、「洋服や趣味のもの」など「お金で解決できるもの」を与えます。何不自由ない暮らしをさせていましたが、結果として体調が悪くなったのは、「お金」では解決できない問題だったのです。結論からいうと夫婦の問題だけではなく、彼女の心の問題でした。一人暮らしに慣れていない彼女は県内の引っ越しであっても、県外と同様に「孤立」してしまったのです。

「育児」は24時間子供と同じです。夫の考えでは、育児を通してすぐに気の合うママ友ができると簡単に考えていましたが、幼稚園に子供がいく三年間は新しいお友達もできない状況でした。ここで「稼ぎ」に自信のあった転勤族の夫は1つ学びを得ます。

「お金では買えないものもある」という事です。

何不自由のないお金がある暮らしでも、「育児」は「夫のサポートだけでは母親を孤立」させるのです。(実家から離れて子育てをする事は実はとても難しいことですね。)

その後夫は転勤願いを出し、3回目の引っ越しで妻の地元で再び働くことになりました。妻の体調は、地元に帰り、親や友達と接しながら体調も良くなりました。そうです。いくら「稼いでいて」も妻の周りの人間関係や人との絆は買えません。「稼ぐ」夫は妻にすべてを与えられないのです。

育児で失った妻のキャリア問題(当たり前の幸せはお金で買えない)

さて、この「育児の期間」から少し考えていただきたい事があります(笑)。2歳年の離れた子供が幼稚園や保育所に行くまでの妊娠から出産までの期間は、およそ6年です。彼女は20歳から6年間「稼ぐ事」はできませんでしたが「育児」を頑張ったのです。「稼ぐ」事も「育児」も大変な作業なのでした。

一方彼女が育児に費やした6年間の時間と、結婚せずキャリアを積んだ女性の6年間はどうでしょうか。

後者の女性はしっかりと仕事で認められ、働いたお金で海外旅行や美味しいものを友達と食べていることでしょう。そう見えてしまう時もあるのです。SNSやインスタグラムでリア充アピールが多い昨今です。子供が居ない人、結婚していない人が、結婚している人の幸せな投稿を見て病んでしまう事もあります。

少なからず人生において、「育児」は試練です。長い目で見れば子供が居てよかったと思える日がくるでしょうが、そう簡単にはやってきません。笑 夫がいくら頑張っても「稼ぐ」だけでは妻に「子育てに費やした時間」を返すことができないのです。

心配のない日々はない(心の余裕はお金で買えない)

「子育て」している女性は、さまざまな状況で精神不安定な時期が何度も訪れます。周りと比較したり、できない事に憧れやストレスを抱えてしまいます。「家計」を意識する妻は、できれば子供が小さいうちにお金を貯めたい、といった願いもあります。

また、将来の小学校に備えてマンションや戸建ての購入といった永住先も検討するかもしれません。多少のお金があるくらいでは、税金ばかり値上がりするこの世の中においては貯金も難しいのではないでしょうか。日々、心に余裕がある生活は難しいです。「子育て」にはさまざまな段階があり、その都度、妻の悩みは絶えません。夫が「稼ぐ」だけでは妻に心の余裕を与えられないのです。

まとめ

本日の結論は「稼ぐ」夫は妻より偉くないという事です。お金を稼いでいるだけでは「妻の夫の以外の人間関係(親や友達)」「妻の失った時間」「妻の心の余裕」は買えないのです。ほかにも買えないものはいっぱいあります。

ここで大切なのは「お金で買えないもの」を妻に与える事を意識する事が大切です。夫は育児をがんばっている妻に「稼いでいる」から偉いのではなく、お互いが「子育て」という試練に立ち向かっている事実を真摯に受け止め、「お金も心の安らぎも」与えられるように意識しましょう。

病める日も健やかなる日も妻に「優しさや励まし、寄り添う姿勢」が大切なのではないでしょうか。当たり前の幸せは手に入れたら顔を隠します。日々小さな幸せを数えることができることなら良いのですが。隣の芝生は青くみえますよね。

都会の小舟に乗り合わせた二人は「偶然」ではなく「必然」だと心に留めながら、日々を歩んでいます。10年を振り返り著者が感じた感想です。ここまで読んでいただき有難うございました。

PS

その後、夫は妻の地元に一戸建てを建て、そこに住む前に広島へ単身赴任をし、今は京都でなんとか暮らしております。めでたしめでたし。笑

この記事を書いたライター

中野 結晴さん

1984年生まれ35歳。妻(30)娘(9)息子(7)トイプードル(2)の父親。
転勤族であり、育児の壁に立ち向かったのち、現在は家族を残して京都に単身赴任中。妻のケアと子供の転校をさせないため、妻の実家の近くに一戸建てを購入。LINEでテレビ電話を駆使したり、休日は毎週家に帰って、趣味の手料理を振る舞い、隙があれば娘、息子と鬼ごっこを楽しむ。「尊敬され続ける為に常に努力は怠らない」が信条。

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