双子と家で過ごすのは楽しいとはいえ、ずっと家の中にいると授乳やおむつ替えに追われてママのストレスはたまる一方ですよね。時には双子を連れて買い物にいったり公園へ散歩に行ったりすると、ママもいい気分転換になります。
とはいえ、実際に双子を連れてお出かけするとなると大変なことが多いのも事実。今回は、双子とのお出かけのポイントと注意点、おすすめアイテムについて紹介します。
目次
1.双子とのお出かけ成功のコツは「慣れ」!ママのペースで少しずつ進めて
双子が生まれてからずっと自宅でお世話をしているママが、双子を連れて初めて外出するのは、生後1ヶ月の乳児検診というパターンがほとんどではないでしょうか。しかし不安と緊張の中で出かけてみて、赤ちゃんに泣かれたりぐずられたりして手一杯になるといった経験をすると、お出かけに対して苦手意識をもってしまうこともあるようです。
「お出かけ先でまた泣かれたら困る」「一人でお世話する自信がない」と感じるかもしれません。しかし経験者の筆者としては、双子ママこそ気分転換のためにもできる限りお出かけしてほしいというのが本音です。
なぜなら、家の中で双子のお世話をしながらストレスを発散するのはほぼ無理だからです。
授乳や寝かしつけ、おむつ替えが2人同時にできればいいですが、実際にはバラバラに対応することが多いです。1人は寝ていてももう1人は起きている、1人はミルクをよく飲んだけれどもう1人はあまり飲めなくて時間をずらしてもう一度飲ませる、そんな状況は日常茶飯事ですから、洗濯や掃除などを他の家族がしてくれるとしてもママにはくつろぐ時間がほとんどありません。
夜間も3時間おきの授乳はありますし、ぐずれば1時間抱っこしてあやすという場合も多く、熟睡できることはほとんどないでしょう。産後でホルモンバランスが崩れて体調不良ぎみな上に睡眠が思うように取れなければ、イライラするのも当然。家の中だとこういう生活が毎日続くだけに、ストレスはたまる一方になってしまうのです。
外に出ると新鮮な空気に触れられますし、家とは違って視界が広がるのでゆったりした気持ちになれますね。何より双子を日光や風に当てることは、免疫力を高めたり五感を刺激したりするので育児の面から見てもメリットがあります。
いきなり子どもプラザにお出かけしようと思わずに、「おっぱいを飲んで機嫌がいい夕方に15分だけ」など短時間家から出てみることからはじめてみましょう。気分転換のためですから、準備に時間をかけずさっと出てさっと帰るつもりでいれば大変さもそう感じないはず。
ママの体調に合わせて、双子と外に出ることに慣れるよう少しずつお出かけの回数や時間を増やしていくのがおすすめですよ。
2.双子のお出かけにはさまざまなハードルがあります!
乳児検診が無事終わり、首が座ってくる生後3~4ヶ月頃からは、お世話するママやパパにとっても双子にとっても長めのお出かけがしやすくなる時期です。ただし、未就学児期までの双子とのお出かけは決して楽ではありません。
自宅周辺の環境や交通事情などの条件によって違いはありますが、筆者が「これはきつかったなあ…」と感じたハードルをいくつか挙げますね。
2-1.一人だと行けない場所がある
週末にママとパパの2人で双子を連れてお出かけする場合は、1対1ですからどんな場所でも行きやすいですね。抱っこ紐を使えば赤ちゃんもそうぐずりませんし、子供1人だけを見ていればいいので普段よりかなり楽です。
しかし平日にママかパパ1人で双子を連れてお出かけする場合は、基本ベビーカーで移動することになるので、お出かけ先はベビーカーが通れる場所に限定されます。
双子用ベビーカーは縦型と横型の2種類があり、どちらも一長一短あります。縦型は幅が1人用バギーと変わりませんが、奥行が長いため小回りが利きません。横型は双子が横並びなのでお世話しやすいですが、幅が一人用バギーより広く狭い場所は通れません。
筆者は横型ベビーカーを使っていたので、入口が狭いお店や自転車防止用フェンスが出入口に設置されている公園は利用できませんでした。某地下鉄駅のエレベーターが幅の狭い旧式で、改札にすら到達できないことも。
お腹側と背中側とで抱っこ&おんぶできる紐も販売されていますが、その状態でさらに着替えやおむつなどの荷物を持って移動するのはかなりの重労働です。ベビーカーを使ってのお出かけが基本と考えると、ベビーカーが通れる場所限定のお出かけになると考えておきましょう。
2-2.所要時間は一人の時の2.5倍で見積もっておく
双子とのお出かけは準備段階から時間がかかります。双子のお世話をしながらおむつや着替え、哺乳瓶、粉ミルクなどなど多くのアイテムを準備しなければいけません。たまたま双子が機嫌がよかったり寝てくれたりしていればさっと準備できますが、そうはいかないことも多いもの。いつも持っていくアイテムは事前にセットしておくと、当日の準備が早くできます。
準備ができていざ家を出た後、スムーズにお出かけが進むかどうかは双子の気分次第です。奇跡的に2人ともご機嫌な日もありますが、どちらかがぐずれば抱っこしてあやすのに時間をとられますし、1人でもおむつが濡れたり汗をかいたりすればおむつ替えや着替えをしなければいけません。その作業が時間差で発生するのも双子育児あるあるですよね。
行って用事を済ませて帰ってくるのに、自分一人だと大体どれくらいの時間かかるかは想像しやすいと思います。双子を連れてお出かけするなら、少し余裕を見てその倍、もしくは3倍はかかるつもりで出かけましょう。もし一人だと約30分で終わりそうな用事なら、双子連れの時は1時間か1時間半かかると見積もるわけです。
「そんなにかかるの!」と思うかもしれませんが、短く見積もって時間が思ったよりかかるとお出かけ先でイライラしますし、焦ってしまって最悪双子に当たってしまうかもしれません。せっかく気分転換のためにお出かけしたのに、途中でストレスがたまってしまうのでは逆効果ですよね。
初めから長めに見積もっておいて、スムーズに移動や用事ができれば、気持ちに余裕を持って双子のお世話ができます。何より気持ちに余裕があるのでお出かけを楽しめますよ。
2-3.めざす用事は1~2個が限界
お出かけ先が自宅近くの公園や普段から通うスーパーならいつでも来れますが、街中に出る場合などは「ここで子供服を見てあそこで私の服を見てついでにおむつも買って…」と複数の用事をしたくなりますよね。
しかし双子が小さいうちは、一度のお出かけでクリアできる用事は1つ、多くて2つに絞っておく方が無難です。
双子それぞれに早い遅いがありますが、自分ひとりでご飯を食べられたり、自分の足で歩いたりできるようになってママの負担が軽くなるのは5歳前後。それまではお出かけ中の主な移動手段はベビーカーで、食事にも時間がかかります。「おしっこ行く?」と聞いて「行かない」といった10分後に「おしっこ!」と言われ慌ててトイレのある場所を探すといったことも珍しくありません。
あちこち移動していろんな用事をこなすのは、ママとパパやおじいちゃんおばあちゃんなどの複数人体制の時だけにして、一人で連れて出る時は用事をコンパクトに絞りましょう。
3.双子とのお出かけ手段別のポイント
何かと手がかかり荷物も多い双子とのお出かけ。双子のお世話は臨機応変に対応しなければいけませんが、移動手段に限っては事前のシミュレーションをしておくかどうかでお出かけを楽しめるかどうかが決まります。
移動手段別に押さえておきたいポイントをまとめましたので、参考にしてくださいね。
3-1.車で出かける場合
車は自分のペースで移動できるので、気軽に双子とお出かけできますね。ただしママやパパが1人で出かける場合は、途中でどちらかがぐずりだすと運転どころではなくなります。出かける前におむつ替えや授乳をすませて、双子の機嫌がいいタイミングで車に乗せるのがおすすめです。
自我が出てくる1歳以降は、双子の性格によってはどちらがどちらのチャイルドシートに座るかでケンカになることがあります。双子からすると、運転席の後ろと助手席の後ろとでは見える景色が違いますし、ママやパパとの距離にも差があるのでぐずる原因になることがあるんです。車に乗る時よくぐずるなら、交互に違うチャイルドシートに座らせるのもひとつの方法です。
車移動の際は、双子が自分でチャイルドシートに座れるようになるまでは、ママやパパが双子をチャイルドシートに乗せ、ベビーカーを畳んでトランクに持ち上げて入れ、お出かけ先に着いたらベビーカーを下ろし、双子をベビーカーに座らせ…という作業が必要です。時間に余裕を持って出かけること、ベビーカーの上げ下ろしができるスペースを確保することが大切です。
3-2.電車やバスで出かける場合
ママやパパが1人で双子を連れてお出かけするのに電車やバスといった公共交通機関を利用するなら、「ベビーカーで通れるか」という点を事前に確認しておきましょう。設備が古い駅や小さな駅だとエレベーターも旧式なので、横型ベビーカーだとギリギリ入らないということがありますし、改札も1人で通過することを前提に作られているのでベビーカーのままでは通れません。駅員さんに手伝ってもらうとしても、時間帯によっては待たされることもあるので、基本は自力で移動できることを前提にしておかなければいけません。
ある程度の大きさ以上の駅だと、エレベーターが改札からかなり離れた場所にあることが多く、利用者も多いのですぐに乗れないことがあります。時間に余裕を持って出かけるのは必須ポイントと言えるでしょう。
電車の乗り降りはスピーディーに。ホームと電車のすき間にはまらないよう、乗る時はベビーカーの前輪を少し浮かして乗り入れてから後輪まで入り、降りる時は後ろ向きになって後輪からホームに降りると安定します。電車に乗っている間は車椅子スペースを利用し、ママやパパは立っておいたほうがいいでしょう。
双子用ベビーカーを使わず、抱っこ紐と1人用バギーというコンパクトなスタイルだとより動きやすいですね。特にバスを利用する場合、双子用ベビーカーを折りたたんで上げ下ろしをしていると他の利用客を待たせることになってしまいますし、ママやパパも大変です。お出かけ中ずっと1人を抱っこしておくことになるので、短時間のお出かけ限定ではありますが、この組み合わせにすると電車やバスの利用がしやすくなりますよ。
3-3.徒歩で出かける場合
近くの公園やショッピングモールなどへ行く時は、車や公共交通機関を使わずベビーカーと抱っこ紐を使って徒歩で出かけるパターンが多いでしょう。ママやパパのペースで移動できるので気軽ですし、ベビーカー本体の上げ下ろしが必要ないのも楽ですね。
ママやパパはずっと歩くことになるので、荷物は最小限にしておきましょう。お出かけ先で双子がぐずったり服を汚して着替えたりといろんなお世話が必要になる可能性があることを考えると、ママやパパの負担をできるだけ軽くしておくのがおすすめです。
4.お出かけ時に便利なおすすめアイテム4選
双子とのお出かけは楽しいものですが、途中で起きるかもしれないことを想定しておくことも大切です。特にママやパパ1人で双子を連れて出かけるのなら、双子だけでなくママやパパも快適に外出を楽しめる工夫をしておきたいですね。お出かけ時にあると便利なアイテムを4つ紹介します。
5-1.それぞれお気に入りのおもちゃ
移動中、さまざまな理由でぐずるのは仕方ありません。しかし電車やバスなどを利用している間や車を運転している間にぐずられると焦りますよね。
ぐずってもすぐに抱っこしてあげられない時は、お気に入りのおもちゃがあると便利です。泣きやんでくれることが多く、電車やバスを降りるまでの時間稼ぎもできます。
5-2.ベビーカー用フック
双子がまだ歩けない時期はもちろん、歩けるようになっても疲れてぐずった時のことを考えるとベビーカーはお出かけに欠かせませんね。コンパクトには動けなくなりますが、幅の大きい双子用ベビーカーは荷物をたくさん入れられるのがメリットのひとつです。
ベビーカーの手すりに設置できるS字フックは、おもちゃなど必要な時にすぐ出したい物や買った物を下げておけるので便利です。座席の下についているバスケットと合わせるとかなりの量の荷物を持って歩けますので、あらかじめセットしておくといいですよ。
5-3. ベビーカー用雨具
お出かけ先で急に雨が降ってきた時、傘を差しながら大きな双子用ベビーカーを押して移動するのはかなり大変です。双子の足元が濡れると風邪をひく心配もありますよね。
双子用ベビーカーには雨具がついていませんので、別途準備しておくのがおすすめです。雨の日だけでなく強風の日も使えますし、車の交通量が多く排気ガスなどが気になる道路沿いを歩く時も双子を守れますよ。
5-4.マザーズリュック
ベビーグッズが入れやすいマザーズバッグを買う人は多いですが、双子のママやパパにおすすめなのは肩掛けタイプのバッグよりも背負えるリュックです。肩掛けタイプのバッグは物の取り出しはしやすいですが、ブラブラ動くので立ったりかがんだりする時に動きにくいのです。
リュックは背中に密着していて動きやすく、抱っこがしやすいのでお世話が楽です。短時間のお出かけ用と半日以上のお出かけ用と、2サイズのタイプを準備しておいて使い分けするといいですよ。
まとめ
双子育児が始まった頃は「お世話だけで大変なのにお出かけなんて無理!」と思うママやパパがほとんどではないでしょうか。筆者も当初は定期検診や予防注射で病院に行く1時間ほどの外出でもうぐったりしていましたから、その気持ちは痛いほどよく分かります。
けれど双子が少しずつ成長してママやパパもお世話に慣れてくると、一緒にいろんな所へ行きたくなるんですよね。双子が喜んで遊ぶ姿を見るのもうれしいですが、ママやパパもいい気分転換になって「またお世話頑張ろう!」と思えたりして。
お天気がいい日、体調がいい日は無理のない範囲で少しずつ、双子とのお出かけにチャレンジしてみましょう。今回ご紹介したポイントはあくまでも参考ですから、ママやパパそれぞれに自分なりのお出かけスタイルを楽しむのが一番!
双子との思い出をたくさんつくってくださいね!
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