赤ちゃんの寝かしけに、どのくらいの時間がかかっていますか?すんなり寝てくれる子もいれば、1時間・2時間かかってしまう子など、さまざまだと思います。赤ちゃんの寝かしつけは、お世話の中でも難易度の高めのミッションかもしれません。
どんなに抱っこしても寝ない子、せっかく寝たのにベッドに置くとすぐに起きちゃう子、背中スイッチが敏感な子。新生児は寝ている時間も長く、寝かしつけをしなくても寝てくれることもあります。
それなら果たしていつからきちんとした寝かしつけをすればいいのか悩んでしまいますよね。寝かしつけをしてもいつまでも寝てくれないとパパママだって疲れて寝不足に。今回は、赤ちゃんの月齢に合わせた寝かしつけ方法や寝かしつけに便利なグッズを紹介します。
目次
①赤ちゃんの寝かしつけはいつから始めればいいの?
赤ちゃんの寝かしつけをいつから始めればいいのか、悩んでいる人は多くいます。新生児期は授乳をして、そのまま寝ることも多いのですが、徐々に体力がついてきて授乳をしても寝なくなります。そんな授乳後の睡眠から寝かしつけへの移行時期について紹介しますので、参考にしてくださいね。
・新生児期~生後3ヶ月
生まれて間もない時期の赤ちゃんは昼夜の感覚が掴めていない時期です。この時期の赤ちゃんに、寝かしつけは必要ありません。1日の睡眠時間をまとめると、15時間~20時間寝る子もいます(もちろん個人差があります)。そう、1日のほとんどを寝て過ごしている状態です。
授乳しては寝て起きて泣いて・・・を繰り返す時期なので、ママの睡眠確保が一番しにくい時期でもありますね。産後の傷の癒えない体に寝不足がつらい時期です。時間を見つけてママも睡眠を取って、出来る限り休息を心がけましょう。
・生後3ヶ月~生後6ヶ月
生後3ヶ月を過ぎた頃には、赤ちゃんの睡眠時期も少しずつ長くなってきます。この時期になってくると、寝かしつけを始めてもいいでしょう。昼夜の感覚がついてくる時期でもあるので、大まかな寝る時間と起きる時間を決めて、夜は寝る、明るくなると起きるくらいの感覚を掴めるようにしてあげてください。
授乳を済ませた後に、抱っこや添い寝をしてトントンしての寝かしつけから。はじめのうちは寝ないことも多いと思いますが、すぐに授乳を再開するのはやめましょう。授乳でないと、寝ないくせがついてしまいます。
また、寝かしつけで寝てくれない時には赤ちゃんの背中が少し丸くなるような体制に変えてあげましょう。背中が「C」の文字になっていると、ママのお腹の中にいた時と同じ体制になり、安心します。無理に丸める必要はありませんが、どうしても寝ない時には、一度試してみるのもいいかもしれませんね。
・生後6ヶ月~生後9ヶ月
生後6ヶ月を過ぎた頃には、赤ちゃんの体力も付いてきます。細切れに取っていた昼寝も、決まった時間に寝るようにして夕寝をさせないようにしましょう。夕方に寝てしまうと、夜の寝かしつけに時間がかかってしまいます。
日中、体を使った遊びをさせることで体力が消耗され、疲れてすんなり寝てくれます。寝かしつけ方法も布団に寝かして、トントンしてあげましょう。生後6ヶ月から9ヶ月くらいの子は、眠れないと動き回ってしまうことも。
しかし、ママは動かずに「おいで」とだけ言うようにして、ついて回ってはいけません。自分が動くたびにママが付いてくると、面白がって続けてしまうのです。寝るときには動き回らないでじっとしておくんだよ、と見本を見せてあげましょう。
・9ヶ月以降
この頃になってくると、夜の授乳をやめても構いません。早い子では歩く子もいる時期になるので、体力も向上し、日中は公園などでも遊べるようになってきます。夜になると、「寝る時間だよ」と気持ちを切り替えられるような言葉をかけてあげて、寝室に行きましょう。
絵本の内容も少しずつ理解してくる時期なので、寝る前に1冊や2冊など決まり事として絵本を読んでから寝るというルーティーンを作ってあげると、自然と寝られるようになってきます。まだ夜中におっぱいを欲しがることもあるかもしれませんが、すぐに授乳はせずに抱っこやトントンで寝かしてあげましょう。
夜におっぱいを欲しがる場合、部屋の乾燥によって喉が渇いて泣いてしまうこともあります。枕元にお水やお茶を準備しておいて飲ませてあげると、落ち着くこともあるのでマグマグに水分を用意しておくといいかもしれませんね。当然ですが、ジュースではいけません。歯が生えていないと思っていても、乳歯がすぐ生えてくる子もいます。
また、ジュースを飲ませてしまうと、夜中に目が覚めた時にはジュースがもらえると思ってしまい、大きくなってもジュース以外、受け付けなくなってしまいます。お水かお茶を用意して飲んだ後には、添い寝をして再度寝かしつけをしてあげましょう。
②こんな時どうしたらいいの?
寝かしつけをしていて、何度も同じことを繰り返して気づいたら2時間経っていたなんてことは「夜対応あるある」かもしれません。抱っこで寝てくれたと思ったら、布団に置いた瞬間に起きる。背中スイッチが敏感…など寝かしつけで苦労する話は、枚挙にいとまがありません。
こんなに寝てくれないならもうお手上げ!状態になってしまいますよね。しかし、「寝ない」「起きてしまう」には理由があるのです。状況別に対処法を紹介しますね。
・抱っこでないと寝てくれない
抱っこでしか寝てくれない赤ちゃんって、実はとっても多いんです。その理由は一言「ママの抱っこが安心するから」。赤ちゃんだけではなく、子供は大きくなっても「ママの抱っこ」は特別です。安心できるママの腕の中にずっといたい気持ちもママ魅了に尽きる話ですが、ママの体はそうは言っていられませんよね。
どんなに赤ちゃんが小さいと言えど、ずっと抱っこの状態は腰にも腕にも負担がかかります。抱っこでないと寝てくれない赤ちゃんの場合には「腕枕」で寝かしてあげましょう。腕枕をした状態は、寝ている体制で抱っこすることが出来ます。しかし、気を付けなければいけないこともあります。
「首が完全に座っていること」
「赤ちゃんの首が無理な角度になっていないこと」
「赤ちゃんが寝たら腕を外すこと」
の3点に気を付けてください。腕枕をした状態で、ママも寝てしまうと、ママの腕や胸で赤ちゃんが窒息してしまう可能性があります。あくまで「赤ちゃんが寝るまで」。寝てくれたら腕を外して、代わりに枕を頭の下に入れてあげるようにしましょう。
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・背中スイッチが敏感過ぎる
ベッドに置いた瞬間、パチッと目を覚ます。所謂「背中スイッチ」の発動です。抱っこでぐっすり寝ていたのに、ベッドに置いた瞬間に目を覚ましてしまって、また一からやり直し・・・とママもぐったりしてしまうこの背中スイッチ。「本当に背中にスイッチでも付いているのではないか…」と思わせるくらいの目覚め方に、どうすればいいのか悩んでいるママは多いはずです。
背中スイッチで反応してしまう理由は、2つあります。
それはベッドの固さと温度です。
まずは「ベッドの固さ」ですが、柔らか過ぎてカラダが沈んでしまうと、赤ちゃんは身動きが取れない状態になってしまいます。赤ちゃんのベッドは、少し固いくらいがちょうどいいのです。「温度」に関しては、ママに抱っこされていて暖かい腕の中にいたのに、いきなり冷たい布団に置かれてしまうと、背中がヒヤッとして目を覚ましてしまいます。夏場は必要ありませんが、冬の寒い時期には湯たんぽなどで少し布団を暖めておくといいでしょう。
ここで注意があります。赤ちゃんを寝かせる時には、必ず湯たんぽを外すようにしてください。大人には暖かくて気持ちいい湯たんぽも、赤ちゃんの柔らかい肌に長時間あててしまうと低温やけどの恐れがあります。布団が暖まったら、必ず外すようにしましょう。
③寝かしつけのNG行為
どんなことをしてもいいから寝てほしい!と思うかもしれませんが、寝かしつけの中にはしてはいけないこともあります!余計に寝なくなったり、習慣化してしまうことも。ここでは寝かしつけの時にしてはいけないNG行為を紹介します。
・ギリギリまでテレビやスマホを見せる
寝る時間のギリギリまで、スマホやテレビを見せてはいけません。スマホやテレビから出ているブルーライトは、赤ちゃんの目には刺激が強すぎて脳が興奮状態になってしまいます。テレビをぼーっと見ていたら、そのまま寝てくれそうな気はしますが、子供の目と脳には悪影響です。寝る時間の1時間前には、テレビを消して、少し部屋の照明を落としておくといいでしょう。
・入眠の儀式が長すぎる
寝る前に入眠の儀式といって、決まったルーティーンをすることで、自然と眠りを誘う方法です。ポイントとしては長くやりすぎるのはNG。寝かしつけは、毎日のことになるので30分や1時間かけていては、ママが疲れてしまいます。入眠の儀式の目安は、5分程度がいいでしょう。長くても15分以内に終わるくらいがおすすめです。
・添い乳
添い乳して寝かしつけると、ママも横になった状態で寝てくれるので楽ではありますが、おっぱいがないと寝られなくなってしまいます。それだけでなく夜泣きをしたとしても抱っこであやすだけでは泣き止まず、おっぱいをあげないと泣きやまなくなってしまうことも。
寝る前の授乳は、座って抱っこした状態であげて、満腹になってから寝かしつけをしましょう。添い乳のまま赤ちゃんが寝てしまうと、げっぷをしていない状態で寝ることになるので、吐き戻しのリスクもあります。吐き戻したものを喉に詰まらせてしまうこともあるので、毎日添い乳を行うのはやめましょう。
寝かしつけで大事なのは「自分で寝るちから」をつけさせてあげること。
何かをしないと寝られない、これがないと寝られない、ということを成長とともに少しずつ卒業させてあげることが、大事になります。自然と布団に入ったら眠れる状態を、徐々にできるようにママが手助けしてあげるような感覚で寝かしつけをしましょう。
④一緒の布団で寝る?別の布団に寝かせる?
赤ちゃんを布団で寝かせる時に、ママと一緒の布団で寝かせるのか、ベビーベッドで寝かせるのか悩みますよね。赤ちゃんにとっては、ママが隣で寝てくれることが一番安心できる環境です。とはいえ大人と同じ布団で寝るには、多くのリスクもあるので注意が必要です。
・暑すぎる
赤ちゃんの体温は、大人よりも高く、寝ているときによく寝汗をかきます。そんな体温の高い赤ちゃんが大人の布団で一緒に寝てしまうと、大人の体温も重なりより暑くなって、さらに汗をかきやすくなってしまいます。
寝汗をそのままにしておくと、風邪やあせもの原因になってしまいます。添い寝でなくても、赤ちゃんが寝汗をかいている時には、着替えさせてあげてください。夜中に着替えさせるのが大変な時には、寝る前に背中にガーゼを入れておいて、寝汗をかいたときにガーゼだけ引き抜くようにすると、赤ちゃんを起こさずに済みます。
・窒息の恐れがある
大人の布団で一緒に寝ることで、赤ちゃんに大人の布団がかかってしまいます。自分の力で布団を動かすことの出来ない赤ちゃんは、顔にかかった布団で、窒息してしまう恐れがあります。まだ寝返りが出来ないくらいの赤ちゃんには、赤ちゃん専用の布団を使用するようにしましょう。
・転落してしまう
寝返りが出来るようになったからと、安心して大人と一緒の布団で安心して寝られるわけではありません。寝返りが打てるようになると、布団の隙間に挟まってしまったり、ベッドから転落してしまう可能性があります。寝返りで頭から落ちてしまうと、頭がい骨の形成が未発達の赤ちゃんの場合、重傷になりかねません。
このように赤ちゃんが大人の布団で一緒に寝る場合、大きな危険を伴います。
隣に寝かせておけば、泣いた時にすぐ対応できるからと安心かもしれませんが、思わぬ事故になってしまうことも…。赤ちゃんを寝かしつける場合には、ベビーベッドやベビー布団を用意して赤ちゃんだけで寝られるスペースを用意するようにしましょうね。
⑤寝かしつけで夫婦の時間が皆無・・・
寝かしつけに時間がかかってしまい、赤ちゃんが寝た頃には自分も寝たくなってそのまま寝てしまうことも多いと思います。日頃の疲れも相まって、そのまま寝てしまい、気づけば夫婦2人時間なんてないこともしばしば。出産後、夫婦でゆっくり話す時間が無くなったという話は、よく耳にします。
まだ小さな赤ちゃんがいる場合には、仕方のないことかもしれませんが、夫婦の時間も大事な時間です。夫婦2人で話をする機会があれば、子供の情報の共有、成長の共感をすることが出来ます。特に1歳未満の赤ちゃんの育児中は、他の大人と話をする機会が圧倒的に減ります。
日中、赤ちゃんと2人の生活に孤独を感じてしまうママもいるのです。そんな時にママの話を聞いてあげられるのはパパだけ。いつのより1時間早く赤ちゃんを寝かしつけてみてください。夫婦の時間が1時間取ることが出来ます。パパも残業せずに帰ってきたら家事を手伝いましょう。家事をしながら夫婦で話をすることが出来ますよ。
・今日はこんなことがあった
・こんなことが出来るようになった
・些細なことでイライラしてしまった
など何でもいいので子供のこと、自分のことでも話をしましょう。日中赤ちゃんを過ごす時間のないパパも、ママからの話で子供の成長を感じることが出来ます。ママ自身の話を聞いて子育てで今、どんなことで悩んでいるのか、どんなことがつらいと感じているのか、わかるようになります。
すると、休日にはパパも上手にフォローできるようになるはずです。「夫婦の時間がないけど仕方ないか」と思うかもしれませんが、毎日1時間でもいいので夫婦で話す時間を協力して作るようにしましょうね。
⑥寝かしつけに便利なグッズを紹介
寝かしつけをするとき、トントンや抱っこをする人は多いと思います。今まで通りの方法で寝かしつけがうまくいっていればそのままで大丈夫。「なかなかスムーズに寝てくれない…」という場合には便利なグッズが販売されているので使ってみるのも一つの手ですよ。子供によって合う、合わないがあるのでさまざまな方法を試してみましょう。
・絵本
絵本は子供の寝かしつけでは、定番といえます。ただ、生まれたばかりの小さな赤ちゃんには、絵本を読んでも睡眠にはつながりません。小さい赤ちゃん向けの絵本は、笑いを誘うものが多いので眠気を誘うことが出来ないのです。絵本での寝かしつけは、内容が少しずつ理解できるようになる1歳前後から始めるのがおすすめ。
・オルゴール
オルゴールの優しい音色には、人の耳には聞こえない超高周波が含まれています。この超高周波には、ストレス軽減などの効果があると言われています。またオルゴールの音はお母さんの胎内音を同じ効果があり、安心感を与えて睡眠を誘います。心を落ち着かせてくれる効果のあるオルゴールを聞きながら、寝かしつけをしてみましょう。
・おくるみ、抱っこ紐
寝てくれない小さな赤ちゃんには、「おくるみ」がおすすめです。おくるみで包んだ状態は、赤ちゃんが羊水の中にいたときと同じ形になるので、赤ちゃんは安心することが出来ます。赤ちゃんはお腹の中にいる時には、背中が丸まった状態でいます。寝る時には、できる限り背中を丸めた状態になれるように、寝の体制を作ってあげましょう。
首が座って腰も座ってきた頃からは、抱っこ紐を使ってみましょう。抱っこ紐はママと体が密着することができ、赤ちゃんはママの心音を聞くことが出来ます。赤ちゃんはママの心音を聞くことで、安心することが出来るのでそのまま寝られるようになります。
⑦寝かしつけはいつまでするの?
子供の寝かしつけは、いつまで必要なのでしょうか?子供の性格によるので一概には言えませんが、2歳から3歳までと言われています。もちろん2歳、3歳になったら一人で部屋に行って寝られるようになるわけではありません。この時期になると、布団に一緒に入れば自然と寝られるようになる時期ということです。
一人で寝られるようになるには、アメリカのように子供部屋を用意して一人で寝るための練習が必要になります。一人寝は、子供の心の成長に合わせて、少しずつ促してあげるのがいいでしょう。子供が一人で寝られるようになると、ママもゆっくり眠ることが出来るようにはなりますが、人生のうちで子供と一緒に寝られる時間は限られています。
子供がまだ「ママと一緒に寝たい」と言っている間は、存分に甘えさせてあげて一緒に寝られる時間を楽しみましょう。子供も甘えさせてもらえることで、自立心が芽生えてきます。どこに行ってもママはそばにいてくれると思うことで、どんどん心の成長をしていきます。
少し大きくなって「小学生になったんだから」と思うかもしれませんが、まだまだ子供です。一緒に寝ることで日中取ることの出来ない親子のコミュニケーションを十分に取るようにしましょうね。子供がまだ小さいうちは、寝かしつけに戸惑い、イライラすることもあると思います。しかし、そんな時間にも限りがあることを念頭に無理しない程度に乗り切るようにしましょう。