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重要な健康のバロメーターを妨げる「赤ちゃんの便秘」について身に付けたい知識

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赤ちゃんには、毎日快便でいてほしいですよね。けれど、赤ちゃんの調子は、まったく親が願うようには行かないもの。2日出なかったり、ときに1週間出なかったりするものです。

赤ちゃんがケロリとしていればまだ救われますが、だいたいの場合、お腹が張って苦しがって泣くので、親の方はいたたまれない気持ちになります。

そこで、この記事では

・便秘と判断する基準は?

・ふだんからできる便秘予防法

・便秘解消法

・便秘を放置していると起こる悪循環について

について紹介します。赤ちゃんの健康的なスッキリのために、できることをやっていきましょう!

便秘と判断する基準は?

親としては、まる1日赤ちゃんの排便がないだけで心配ですが、一般的に便秘と判断する基準は下記になります。

  1. 5日以上排便がない
  2. 赤ちゃんの機嫌が悪く、ずっと大声で泣く
  3. 母乳やミルクの飲みが悪く、体重増加がよくない
  4. 母乳やミルクをすぐ吐いてしまう
  5. 機嫌が悪い
  6. 下腹部が異常に硬いか張っている
  7. 排便しようとすると痛がったり苦しがったりする
  8. おならがいつもより臭い
  9. 便が固く、時に血がついている

①~⑤は赤ちゃんが便秘で消化不良を起こしていて、赤ちゃんが不快感を覚えていたり、消化管が満足に動いていなかったりするためですね。

⑥~⑨は消化不良や、それによる腸内フローラの乱れもありますが、肛門周りの便が固くなって肛門をふさいでしまっている(便塞栓)の状態も表しています。浣腸などで便塞栓を取ることが急務の状態です。

赤ちゃんの排便が5日以上ないことが便秘の基準となっていますが、2日排便がないだけの赤ちゃんでも、病院で浣腸をしたら、周囲にまき散らすくらい出てしまうことがあります(病院のスタッフの方に大変ご迷惑をかけました…)。

なので、5日もためこむようなことは、できればしたくないですね。特に、②④⑤⑥⑨の状態のときは、5日経っていなくても病院に行くべきです。やはり、普段からの予防が大事になります。

ふだんからできる便秘予防法

・ベビーマッサージ

ベビーマッサージは、赤ちゃんとのスキンシップやコミュニケーションのために推奨されるものですが、赤ちゃんの血行を良くし、内臓の働きも良くするので、便秘予防になります。

基本的に、暖かい部屋(25℃前後)で行います。バスタオルを敷き、さらに上におもらし対策のシートを敷いて、赤ちゃんを寝かせます。赤ちゃんの足側に親が足を広げて座って、手にベビーオイルを小さじ1杯とって両手にすり込んで、「始めるよ」と声をかけてからマッサージを始めてください。

マッサージ中にオイルが足りなくなったらどんどん足しましょう。赤ちゃんの肌がテカテカになるくらい、たっぷりつけてください。

沐浴後に、温かい風呂場で保湿用ベビーオイルをつけてベビーマッサージをやると、いろいろなことがいっぺんに済みます。ベビーオイルは、マッサージが終わったら、床に敷いたバスタオルで軽く抑えるようにして拭いてください。

以下に、10分ほどでできるやり方を説明します。話しかけたり歌を歌ったりしながらマッサージすると、赤ちゃんも退屈せず付き合ってくれますよ。

①赤ちゃんをタオルの上に寝かせ、右ふとももを両脇から両手でつかみ、左手(太ももの内側)を足先に向かってなでおろします。右手でもなでおろします。2,3回同じことをやってから、右足も同じようにします。

②赤ちゃんの片足の側面を両側から両手でつかみ、左右に2,3回振って足首をほぐします。もう片足も同様にします。

③赤ちゃんの片側のお尻を、手のひらで軽く持ち上げます。内側から外側へ、大きな円を描くように2,3回マッサージします。もう片方も同じようにします。

④左右の太ももを左右の手で上から持ち、持った手を外側に回して太ももの裏側をつかみ、そのまま足首までゆっくり滑らせます。

⑤両足首を持って両足を持ち上げたあと、下ろします。

⑥手のひらをお腹の上に置き、お腹と胸全体に触れるようにして、時計回りに2,3回、大きくゆっくり円を描いてマッサージします。

⑦両手首を持って、両手を2,3回、曲げ伸ばします。

⑧首の下に手を置き、首の下から肩までを2回ほどさすります。

⑨肩までさすり終わったら、そのままの流れで肩から手の先までを優しくなでさすります。

⑩赤ちゃんの顔を横に向けてうつぶせにし(窒息防止のため)、首の付け根からお尻に向かって背中全体をなでおろします。

⑪腰に手を当て、腰から背中、背中から肩、肩から手先までを軽くなでさすります。

⑫手首から肩、肩からおしり、足首へと、手を離さずゆっくりとなでさすります。

赤ちゃんを仰向けに戻して終わりです。ベビーマッサージのあとは、水分補給をすることが推奨されています。ただの湯冷ましで大丈夫なのですが、薄めた果汁が飲める月齢なら、それを飲ませることも便秘予防になります。理由は下にくわしく書きます。

保湿もできるベビーオイルでコストパフォーマンスがいいのは、『ジョンソン ベビーオイル』、『麗白 ハトムギ ベビーオイル』、『アロムメゾン マッサージオイル ベビー』になります。

敏感肌なら、価格はかなり高くなりますが、『AMOMAベビーオイル』、『WELEDAカレンドラ ベビーオイル』、『AMOMA カレンデュラオイル』がいいでしょう。

・果汁を薄めて飲ませる(特に柑橘系)

水分補給自体が便秘予防になりますが、薄めた果汁を飲ませると、さらに効果がアップします。果汁に含まれる果糖には、水を引き込む働きと、腸を動かす働きがあるためです。柑橘は、果物の中でも、果糖を比較的多く含みます。果糖の力を期待するなら、オレンジジュースやみかんジュースなどを薄めて飲ませてあげましょう。

・離乳食では食物繊維を意識する

離乳食が食べられる月齢なら、食物繊維も意識しましょう。便のかさを増すのは不溶性食物繊維(セルロースなど)ですが、便をやわらかくするのは水溶性食物繊維(ペクチンなど)です。水溶性食物繊維を多く含むもので、赤ちゃんが食べられそうなものは果物やイモ類なので、

・リンゴ

・バナナ

・いちご

・さつまいも

・じゃがいも

・サトイモ

などを意識して食べさせてあげるといいでしょう。離乳食初期はすりおろしたりポタージュにしたり、中期はやわらかくゆでて潰したり、後期は細かく刻んであげたりすれば、どれも比較的よく食べてくれる食材です。

便秘解消法

ふだんから便秘予防をしていても、やはり便秘になってしまった場合や、定期的に病院で見てもらっていても、すぐ便秘になってしまう場合は、便秘予防でなく便秘解消に動くしかありません。その方法をいくつか紹介します。下に行くほど、ひどい便秘の赤ちゃん向けです。

・お腹の『のの字』マッサージ

ベビーマッサージと異なり、下腹部を重点的にマッサージします。おへそを起点として始めて、大腸を刺激することを意識して『のの字』にマッサージしていきます。

・足の『シーソーの動き』

赤ちゃんの足をよく動かして、運動する刺激を与え、それで腸を動かして排便を促すという方法もあります。やり方としては

①両手で赤ちゃんの両足を持ち上げる

②赤ちゃんの足を片手で片足ずつ持つ

③シーソーの動きのように、片足を下げたらもう片足を上げる動きを繰り返す

となります。ハイハイ前の赤ちゃんの便秘には、これくらいの運動刺激でも意外と効果があります。

・便秘に効くツボを意識した『のの字』マッサージ

便秘に効くツボを頭に入れてマッサージします。便秘に効くツボとして、

天枢:おへそから(赤ちゃんの指幅で)指幅3本分外側の左右(以降すべて指幅は赤ちゃんのもの)

腹結:おへそと腰骨を結ぶ線と、乳頭から下がった線との交わったところ(特に便秘に効くのは左)

大巨:天枢から指幅3本分下

便秘穴:おへそから指幅3本分下、さらにそこから指幅1本分左

関元:おへそから指幅4本分下

があります。これらのツボを意識しながら『のの字』マッサージすると、普通のマッサージよりさらに効果的でしょう。

・オリゴ糖を溶かして飲ませる

オリゴ糖は、人間の消化酵素ではほぼ分解されず、腸内のビフィズス菌のエサになる糖です。よって、赤ちゃんの腸内環境を良くしてくれ、便秘解消効果が期待できます。

オリゴ糖は虫歯の原因にならない糖類なので、歯が生え始めた赤ちゃんにも安心です。ただし、飲ませすぎてお腹を壊すこともあるので、最初は薄めにして飲ませるところから始めてみてください。

『オリゴのおかげ』が有名ですが、『ベビーオリゴ』、乳酸菌入りの『はぐくみオリゴ』などもありますので、使いやすいものを使うのがいいでしょう。

・プルーン果汁を薄めて飲ませる

プルーンは水溶性食物繊維を豊富に含み、緩下作用が高いソルビトールという糖も同時に含む果物です。そのため、かなりの便秘解消効果が期待できます。ただし、ソルビトールはかなり効果が高く、逆にお腹を壊してしまう可能性もあるため、最初は薄めにして飲ませるところから始めてみてください。

プルーン果汁は、『ポッカサッポロ サンスウィート プルーン』が一番手に入りやすいです。『ミキプルーン エキストラクト』は、濃縮してあるので、使うなら濃度調整に一層気をつけるべきでしょう。

・マルツエキスを薄めて飲ませる

マルツエキスは、ベビー用品で有名な和光堂が作っている医薬品です。この製品は、麦芽糖を60%以上含むように作られていますが、麦芽糖は腸内細菌によって分解されます。このときの分解で生じたガスが、便通を促すので、便秘に効果的とされています。

マルツエキスは、麦芽糖以外の成分も赤ちゃんの栄養になりますので、栄養補給がてら、ふだんから飲ませていてもいいかもしれません。

・ミルクを変えてみる(アイクレオ)

完全母乳だとあまり効果がない方法かもしれませんが、ミルク混合やミルクのみだと、かなり効果が見込める方法です。ふだんのミルクを、便秘解消や予防にいいと評判が高いミルクに変えてみてください。

口コミでは、『和光堂 はいはい』、『ビーンスタークすこやかM1』、『和光堂 レーベンスミルク』など、いろいろなミルクが効果アリと評判になっていますが、中でも『アイクレオ バランスミルク』が、非常に便秘に効果が高いと言われています。

・綿棒浣腸

上の方法を試してもだめなら、かなり頑固な便塞栓がある可能性があります。浣腸しかないでしょう。家でできる浣腸としては、綿棒浣腸があります。

赤ちゃん用の綿棒にベビーオイルかベビーワセリンをつけ、綿棒の綿の部分全体が肛門内に入る程度に入れてから、のの字を書くように刺激します。綿棒を奥まで入れすぎなければ大丈夫ですが、赤ちゃんが痛がったらすぐやめてあげてください。

西松屋にベビーオイル付きベビー綿棒が売っていますので、便秘に悩む赤ちゃんがいるお家はそれを常備してもいいでしょう。他にも、『ピジョン オイルがついてるベビー綿棒』などがあります。

これらを試していて、それでも効果がなく、5日以上排便がないなら、病院に行ってください。だいたいの場合、浣腸をされますが、その時にこれまでたまった分がどっと出る可能性が高いので、換えのおむつを多めに持っていくことを忘れないようにしてください。

便秘を放置していると起こる悪循環について

赤ちゃんの便秘をちゃんとケアしないと、便秘の悪循環が起きてしまいます。赤ちゃんの便秘を放置すると肛門周辺の便が固くなり、排便するときに肛門が傷つくことがあります。

すると、排便すると肛門が傷ついて痛いという記憶が赤ちゃんに刷り込まれ、排便を我慢してしまいがちになり、よけい便秘になりやすくなってしまうのです。

便秘解消のためにいろいろとケアしているときは、赤ちゃんの肛門の傷にも注意しましょう。傷があったら、肛門をぬるま湯で日に3,4回ほどまめに洗うと、赤ちゃんは気持ちいいだけでなく、傷の回復を早めることができます。

まとめ

便秘予防法、便秘解消法などをまとめましたが、いちばん大事なのは、5日以上排便がなかったら、病院で相談をするということです。腸や、その他内臓の病気が隠れていることもあるので、5日以上出なかったら絶対に病院に行ってください。

また、

・生まれた直後からずっと便秘が続いている

・ぐったりしている

・熱があったり吐いたりすることがある

・排便時に痛がり、出血するほど便が固い

・おなかがパンパンに張っている

というときは、5日を待たず早く病院に行ってください。それだけでなく、

・おまた(陰のう、股のつけ根)を痛がる

・お腹がパンパンに膨らんでいる

・吐いた中にコーヒーの残りカスの様なものがある

・触ると嫌がる

というときも、別の病気が隠れている場合があります。すぐに病院に行ってください。

たかが便秘、されど便秘。排便は赤ちゃんの重要な健康バロメーターです。ふだんから注意して予防や対策をして、気をつけてみていてあげてくださいね。

この記事を書いたライター

かぞいろは編集部さん

かぞいろは編集部は20〜30代の男女4名体制で記事の企画や制作を行っています。育児にゴールや正解なんてない。頑張ることが当たり前で、誰かが褒めてくれるわけでもない。だからこそ育児の輪を自分たちで広げていきたいなと思っています。

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