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男性必見!「覚悟せよ!」女性は母になると人格が変わるのです!

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1.女性は産んだら超人ハルク?

女性は根本的に男性とは違う生き物です!これは僕の経験上、断言できます。これを前提にして行動や発言をしていかないと、地平線の彼方まで平行線ということになります。

僕は東京出身で現在熊本在住です。2歳と8歳の娘がいます。職業はサンバダンサー、モデル、画家、ライターをしております。僕の妻は4つ年下で看護師をしています。埼玉出身です。

さて、冒頭の衝撃発言?ですが、最近はSNSでちょくちょく同様の事を言ってる記事が見られるので、それほど衝撃ではないかもしれません。しかし、僕の場合は失敗を重ねて体験的に理解していきました。この記事ではその失敗と回避策を書いていきたいと思います。何度もいいますが、あくまでも男性目線です。突っ込みどころ満載はご容赦ください。

スタートラインが違う

別記事で子育てに際し「男は経験を重ねて父になる。女は生物的に母になる」と言いました。まず、この時点で両者のスタートラインが違います。ギャップがあるのです。だからマーベルコミックに出てくる「ハルク」のように突然「母の意識」となれる女性と、同じスピードを男性に求めても無理ということ。

これは逆に言うと、産前と同じように男性が振る舞ってしまうと手痛い反撃をくらうことがあるということ。産後鬱(さんごうつ)というのがあります。このときの女性の感情の起伏は激しいです。本能的に子供を守るために攻撃的になる野生動物の名残りだと思います。僕の妻もそこまで深刻ではなかったと思いますが、その状態になりました。

2.女性は忘れないんですよ〜!「タタリガミ!!」子も恨みも育てます!

産後ウツで攻撃的になった妻の事を「タタリガミ」と僕はコッソリ言ってました。宮崎駿の映画もののけ姫に出てくるニョロニョロうねうねのアレです。それを退治して村の長老みたいな老婆が「恨みを忘れ静まり給え」と祝詞をあげてたと思います。うん、我ながらピッタリな表現だったと、炎上覚悟で思います。ただし、実際の「タタリガミ」は恨みを忘れません。それどころか下手すると増幅させる。

例えば僕は第一子を授かった時、忙しさに任せて妊娠中の妻を十分ケアしてませんでした。それどころか仕事の打ち上げで夜中に帰ってきたり、土日もリハーサルや出演で家を空ける事が多かった。出産のときもダメダメなマッサージでウザがられたりしました。それ以外にも日常の不平不満を事細かに妻は記憶していました。えぇ!?そんな事あったっけ?と思う様なこともあるので、「なんだか覚えてないけどゴメン」的なことになります。それがまた妻の怒りに火を注ぐ。

他の男性は分かりませんが、僕自身は嫌なことや都合の悪い事はすぐに忘れる性分です。口論になったときも「あの時ああだった!」と言われても、覚えてなかったり口論の原因と結びつかなくて混乱することがあります。逆に僕が記憶していることと違ったりすることもある。大抵、妻の記憶の中では「より酷い仕打ち」に膨れ上がってたりする。

3.やってはいけない!同じ土俵で言い争い。

そこでやってはいけないのが「タタリガミ!」とのガチンコ喧嘩です。そもそも出産後、ホルモンバランスだとか生物的な理由で気持ちが不安定になっているママと、真っ向から争ってはいけない。ちなみに未熟な僕は何度も経験していますが、何も生まない不毛な時間とエネルギーの浪費でした。

「男性は頭で考えるが、女性は子宮で考える」って言いますよね。これも妻が一時期はまった「〜系」からの受け売りですが、まさにその通りだなと。毎月の生理の前後ですら気持ちや体調が不安定になったりするのに、それの集大成のような産後がノーマルモードであるはずがない。

さらにNGなのが「男の理詰め」

僕は口が達者な方ではありません。ただ男性なので口論になると「なぜ怒っているのか?」「どうすれば良かったのか?」「どうしたら解消されるのか?」といったことを、目の前にある物事を中心に話を展開していきます。僕は感情的になりやすい性分ではあるので「立て板に水のように冷静にスマートに」という訳にはいきませんが。

一方、妻にはそんな理詰めは通用しません。冷静になった時に妻いわく「頭で考え正誤を判断などしない。お腹(子宮)のあたりで感じて納得できるかできないか」だと。さらに論点の時間軸は点ではなく線だと言っていました。つまり目の前の出来事だけでなく、過去に「どんなことがあったか?」「何をされたか?」も含めて判断するのだそうです。特に産後ウツのときはフラッシュバックのように記憶が蘇るのだとか。

この状況での口論の解決策は一つ。男性が「折れる」「謝る」「話を聞く」しか無いと思います。無理に言いくるめたりしても「恨み」の種が増えるだけだということ。

4.やってはいけない!妻の前での深酒。

前項の続きになりますが、僕は何度か妻に「死ね!」と言われたことがあります。過激な言葉で申し訳ありません。自分が悪いので仕方ないのですが。完全母乳の妻は授乳中は当然お酒が飲めません。僕は仕事柄、スタッフさんやバンドさんとお酒を飲む機会がしばしばあります。第一子の時は外で飲んで失敗しましたので、家飲みが多くなりました。外で飲んで、帰りが遅くなるよりはいいだろうと妻も許してくれます。

ただ家だとリラックスして飲めるので、お酒が回りやすいです。以前、大きなイベントの打ち上げでバンドさんと飲んだ時、メンバーの若い男の子に僕が絡んでいたらしく、翌朝夫婦ミーティングになりました。その時「死ねばいいのに」と言われました。

ペナルティーとして、約1年間の禁酒生活に

イベントで出すお酒の試飲すら僕だけ飲めない。「きついなー」と思いましたが、産前産後、2年近く妻は飲めなくなるわけです。妻もお酒好きです。その妻の前で記憶無くなるぐらい飲んでしまったら、ペナルティーにもなります。妊娠中、産後しばらくの間、男性の飲酒はコッソリ少量をお勧めします。

5.やってはいけない!以前と同じスキンシップ

産後の女性はノーマルモードではないと思います。野生動物で「子連れの母熊」ほど危険なものはないと聞いたことがあります。これは僕の妻から感じた印象ですが、まさにそれだなと。

産後だけは人格が変わる

妻の名誉のために補足しますが、妻はどちらかというと「男性的でサバサバして明るい性格」ですが、子供にも他人にも優しい性格です。決して毛の濃い肉食獣のような性格ではありません。産後は別です。妻の場合、特に第一子の際は「子連れの母熊」が顕著でした。簡単に言うと「私に近づくな!」でした。僕も男性ですので子供も愛してますが、妻も愛したいと思う時もあります。

家に居ずらくても耐える

これも後から妻から聞いた話ですが、夫である僕ですら触られるのが嫌だったと。とくに赤ちゃんと一緒にいるときなど。妻の場合、ごく短い期間で落ち着きましたが、この状態のとき男性はひたすら耐えて、距離を置いて身の回りのケアに徹するしかないと思います。

僕の失敗としては、この時期に外で飲む機会が増えてしまいました。家に居ずらいとはいえ、これはこれで要らぬ「恨み」の種になるので、控えた方がいいと思います。

6.かわいい!だけでは済まない子供と留守番。話を聞いて解決。

子育ての状況はそれぞれだと思いますが、子供と接する時間が多いのは必然的に女性の方だと思います。特に産後直後は数時間置きに授乳となるので目が離せなくなる。男性の場合、仕事ということで外出できる機会があると思いますが、ママの場合は家の中に籠りきりになる可能性が高い。僕も妻も外に出て活発に動きたい性分です。どんな理由だろうと引き籠るのは苦手です。

次女が生まれて暫くして、妻は友人との集まりに行き、長女と次女と僕で留守番をした時のこと。次女は微熱があったのでほぼ一日家で過ごしました。そのころには長女も僕に懐いていて楽勝だろうと思いましたが甘かった。

丸一日、子供以外コミュニケーションをとる相手が居ないことの辛さ

子供たちも最初は自分たちだけで遊ぶ訳ですが、飽きてくると僕を構い出すわけです。子供の体力と大人の忍耐力は圧倒的に違う。最初はいいですが段々苦痛になってくる。そうなると些細なことがイライラしてくる。何かをこぼした、フスマに穴をあけたなんてことで激怒してしまう。

その合間にご飯を準備し、オムツを替え、洗濯物を取り込むわけです。長い一日が終わって、そこに妻が帰ってきたら「やっと帰ってきた〜!」とマシンガンのように話をしたくなる。やっと大人と会話ができる!という気分です。ふと考えると「この逆」が僕の妻や多くの女性の日常だったりする訳で、そこで男性が「俺、疲れてるから」とか言われたら、そりゃキレますね。

こういう時、フリでもいいから話を聞くだけでも8割がた問題は解決すると思う。フリがばれると火に油を注ぐのでウンウンとしっかり相槌を打つことをお勧めしますが。男性が「ママを子供から一時的にでも解放する機会」を作る。それが厳しいなら話し相手になる。とても大事だと思いました。

7.ところでパパ友って必要?

基本的に、僕は友達が少ないです。しかも男性の友達は本当に少ない。多分性格が女性的だからだと思いますが、オラオラ系の男友達は一人もいません。という状況なので「パパ友」というものはいません。

いまどきはSNSがあるので同じくらいの年齢の子供をもつ男性と繋がってはいますが、育児の悩みを共有したりとかはしません。それでも何とか乗り切っているので、結論からいうと「パパ友」なんてものは必要ないかなと思います。

仕事以外のコミュニティーは刺激に

ただ、第一子のときは3.11がきっかけで所謂「意識高い」系の集まりに参加することは多くなりました。もちろん妻がそういった集まりを探してきて、ただ僕はそれに付いていくだけなのですが、今考えるとその時にできた繋がりが、その後とても役に立ったと思っています。

「意識高い」系なんて言い方をすると皮肉めいた印象を与えがちですが、普段接している仕事の繋がりとは違うコミュニティーに身を置くのは、とても良い刺激になるし思わぬアイデアが生まれたりします。ちなみにその「意識高い」系の集まりでは自然食や昔ながらの遊びをメインのトピックにしていました。

東京を離れ地方へと移る

3.11があり「食べ物を見直そう」と夫婦で考え、同時に「子育てを見直そう」となり、最終的には「生き方を見直そう」ということになりました。その結果、東京での暮らしを捨て、地方に移住することになったわけです。父親として「子供を守る」方法は沢山あると思います。物理的に危険から子供を守るといったこと以外に、良い学校に通わせるとか、衣食住を不自由なく与えるとか。

僕の場合は「良い環境で育てる」ことが「子供を守る」になると考えて移住の決断をしました。そのための具体的なコネクションや情報はどこで得ることができるか?と考えた場合、自分たちと同じような価値判断で生きている人たちのコミュニティーに入るのは、とても有効だと思います。漠然とパパ友とかママ友といって、何かのグループや公園での集まりに参加するのも良いですが、その繋がりの中に入ることによって「自分や子供にどんな良い影響を与えられるか?」と考えてチョイスするのも大事だと思います。

8.思い切り家族喧嘩!それでも家族を愛してる。

ウチの夫婦喧嘩、親子喧嘩はとても派手です。去年夫婦喧嘩で、うまれて初めてちゃぶ台返しをしました(笑)。そのとばっちりで皿の小さな破片が長女の頭にあたり、大仁田厚のように流血しました。その時ばかりは夫婦喧嘩も忘れて妻と焦り、長女も「いい加減にして!」と泣きながら怒りました。絵にかいたような
ドタバタ家族です。

恋愛と結婚はぜんぜん違う

子育て中は特に些細なことで喧嘩になります。理由はこれまでの記事で書いた通り。それだけ妊娠、出産は女性の体に変化を与えるし、家族が増えるということは、それまでの生活が180度変わるということ。それは恋愛時代から結婚生活に移行する時以上の変化だと思います。同棲するとお互いの未知の部分が露わになり、それで喧嘩になったりすることもありますが、子育てとなるともっとお互いの素の部分が出てくる。

女性の場合は本能的な部分がむき出しになってくる。もしかしたら男性はそれに戸惑い「こいつとこの先、やってけるのか?」とか思ってしまうかもしれない。実際、僕も何度もあります。この記事の主題である「女は母になると人格が変わる」を実際に目の当たりにすると衝撃的です。

喧嘩しても愛している

例えば、僕は収入が安定しない仕事です。でも誇りも愛着もある。それに対して妻から人格も含めて仕事を全否定するような発言をされたこともありました。おそらく男性としては一番言ってほしくない事かもしれない。でも違うんです。ノーマルモードではない女性は別の意志が働いていると思います。

そのうえで思い切り喧嘩をする。ため込まずに、お互い言いたいことを言う。気が済んだらかわいい我が子の顔を見ながらご飯でも食べる。また元通りになる。くれぐれも感情的になってるときに軽はずみな決断はしない。

僕は自分の過ちで大失敗をしたことがあります。ぐちゃぐちゃな失恋で「このまま孤独に終わるのか?」とか中二病のようになったこともあった。その時の自分に言わせたら「愛する家族が持てた」ということはとんでもない奇跡なわけで。大喧嘩してもやっぱり家族を愛してるし、大切なんです。

9.イクメンなんて気にしない。手を抜けるところは抜く。頼れるものはなんでも頼る。弱音もOK

空前のイクメンブーム!とかいうのは少し前ですかね。僕の書いている記事が少しでも未来のイクメンの参考になればとは思っています。そういう想いで、これまで「〜してはいけない」など色々書いてきましたが、最後は「肩の力を抜いてほしい」というメッセージで締めたいと思います。

頑張りすぎないこと

今でこそ薄れているとは思いますが、日本は男性が意識している以上に「マッチョ」思想が強いです。例えば「男子たるもの〜とあるべき」とか「男は弱音を吐くな」とか「男は泣くな」とか。その思想が強いため、生真面目に頑張り過ぎてしまう男性が多い。だから過労死なんて言葉がある。

僕はフリーランスの仕事なので通勤ラッシュといったものは幸いありませんが、あれを毎日乗り越えて夜遅くまで仕事をする。本当に頭が下がります。もう世の中の日本人男性はもう十分頑張っていると思います。もちろん女性もですが。仕事で生真面目に頑張って、そのうえ「イクメン」とかを目指して頑張り過ぎて
身体を壊してしまっては本末転倒だと思います。

だから手を抜けるところは抜きましょう。頼れるものはなんても頼りましょう。
例えば、それぞれの地域には行政が運営している公共サービスが沢山あります。○○ファミリーサポートとか。こういうサービスはあまり宣伝をしないので、自分で探して申請しないと利用できないものが多いです。夫婦で煮詰まったら、いったん育児から離れる。エネルギーを回復させる。そうすればまた楽しく育児が出来る。これは男性目線で見ても大事だと思います。

家族も自分も大切にする

色んな育児書があって「〜ねばならない」とかキラキラなイクメン像とかを追っているうちに自分の首を苦しめて、子供を虐待してしまう。もしくは身体を壊してしまう。前述しましたがこういったことに陥りやすい気質が、特に日本人男性には刷り込まれていると思います。僕は頼れる親類は近く人いませんが、幸い頼れる地域コミュティがあります。ラテンの血も強いので適当にやれるところは手を抜きます(笑)

育児は限られた貴重な時間だと思います。ぜひプレパパ、プレママには家族を守るように自分も守って育児を楽しんでほしいと思います。

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この記事を書いたライター

サンバダンサーMasashiさん

■本名:伊藤雅史「アブド・アート」代表、ホームページ「アモーブラジル」で検索■東京都出身■1999年よりClubでダンサーとして活動を開始。2002年からサンバダンサーに転向、ブラジルでのサンバ修行を重ね、2012年熊本へと移住。「サンバ熊本」立ち上げ。「アブド・アート」立ち上げ。2018年ドイツ、エッセン州コンテンポラリーアート展に出展する。「ダンスとアートで世界を変える」をキーワードに、国内外幅広く活動をしている。

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